QNAPにZabbixアプライアンス(バージョン4.4)を入れてみました(パッケージ版を入れてみた件については別記事とします)。
一部嵌まった箇所(シャットダウン時にZabbixエンジンが停止出来ず、ハングアップしたように見える)があったので、記録として残しておきます。
注意
- イメージの展開にかなり時間がかかる場合がありますので、余裕を持った構築スケジュールとして下さい
- 構築作業中はQNAP本体からインターネットが見える必要があります
- VNC画面からだとキーボード配列の問題があるため、IP reachable になった時点でsshクライアントから作業した方が良いと思います
- QNAPのファームウェアバージョンは 4.4.1 で確認しています
- snmp関係パッケージはインストール不要です
Web上で検索すると手動で入れるようにと出て来る場合もありますが、パッケージに含まれていますので入れないで下さい - DHCPでIPアドレスが拾えるようにしておいて下さい
あとで変更可能です
構築手順
- サポートされるNASの型式を確認しておきます
https://www.qnap.com/solution/virtualization-station-3/ja-jp/ - QNAP本体のファームウェアを最新に上げておきます
- AppCenter から Virtualization Station をインストールします
- Zabbix公式から Zabbix Appliance のISOイメージファイルをダウンロードします
- 2019/10/25時点でのダウンロード直リンク
https://sourceforge.net/projects/zabbix/files/ZABBIX%20Latest%20Stable/4.4.0/zabbix_appliance_4.4.0_x86_64.iso/download - 公式ドキュメントへのリンク
https://www.zabbix.com/documentation/4.4/manual/appliance
- 2019/10/25時点でのダウンロード直リンク
- ISOイメージファイルをQNAPの VirtualizationStation 3 にマウントさせ、VMを作ります
各パラメータの例は以下の通り。
- インストール完了後、VirtualizationStation からVMのコンソールにアクセスします
ログインプロンプトが出ていない場合は、コンソール画面内をクリックしてフォーカスを与えたあと、『Alt』+『F2』等でttyセッションを切り替えてみて下さい。 - Ubuntu CUIへのログイン
ID/PWは appliance / zabbix です。
rootには sudo su – で昇格できます(パスワードはzabbix)。 - 以後の作業はrootに昇格して行います
- Ubuntu起動時のスプラッシュ画面は不要なので、/etc/default/grub を変更します
vi /etc/default/grub
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=”quiet splash”
行を
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=””
に変更、保存、update-grub2 にて反映させます - 一旦再起動
- タイムゾーン変更
cp /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
- VMゲストエージェントのインストール
apt update apt install -y qemu-guest-agent
- Zabbix アプライアンスのIPアドレス確認
コンソールから ifconfig -a で見ることもできますが、上の手順でエージェントを有効化したため、Virtualization Station の概要→Zabbix→ギアアイコン→右側ペインの『ネットワーク』にても確認出来ます。 - Zabbixが描画するグラフの文字化け対策
日本語フォントをIPAゴシックにします。
cd ~ apt install -y unzip wget https://ipafont.ipa.go.jp/IPAfont/ipag00303.zip cd /usr/share/fonts unzip ~/ipag00303.zip rm /etc/alternatives/zabbix-frontend-font ln -s /usr/share/fonts/ipag00303/ipag.ttf /etc/alternatives/zabbix-frontend-font
- Zabbixのタイムゾーンの変更
vi /etc/apache2/conf-available/zabbix.conf
php_value date.timezone Europe/Riga
↓
php_value date.timezone Asia/Tokyo
※2箇所あります - Zabbiサーバーが動作していません対策
vi /etc/zabbix/web/zabbix.conf.php
$ZBX_SERVER = ‘localhost’;
↓
$ZBX_SERVER = ‘127.0.0.1’; - シャットダウン時のハングアップ対策(ZBX-15602/ZBX-16708)をします
vi /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/zabbix-server.service # [Unit]ブロックのAfterを変更 After=syslog.target After=network.target ↓ After=syslog.target network.target mysql.service # 保存して終了 # serviceファイルの変更を反映させます systemctl daemon-reload systemctl restart zabbix-server
- 念のため再起動
systemctl stop zabbix-server shutdown -r now
- GUIログイン
ブラウザから http://[IPアドレス]/zabbix/ でログインします。
ログインID/PWは admin / zabbix です。 - IPアドレス変更(192.168.0.10/24 GW192.168.0.1 DNS192.168.0.2にする場合)
vi /etc/network/interfaces iface XXXX inet dhcp ↓ iface XXXX inet static address 192.168.0.10 netmask 255.255.255.0 gateway 192.168.0.1 dns-nameservers 192.168.0.2
vi /etc/resolv.conf # 適切に編集・保存ください
- 機器監視テスト
機器監視用のテンプレートは Template Module ICMP Ping を使って下さい。 - トラフィック量グラフ生成テスト
テンプレートは Template Net Network Generic Device SNMPv1 が良いと思います。
ホストを追加してからグラフに値が載ってくるまでは、ある程度時間がかかります(設定→ホスト、の一覧の『グラフ』に、検出されたグラフ数が出ます)。 - メール発報設定
- 管理→メディアタイプ→Emailを更新
- 管理→ユーザー→対象ユーザ名→メディア→追加で追加
- 設定→アクション→Report problems to Zabbix administrators→新規条件を追加し、有効をクリックし、更新メール発報の設定
その他
- Zabbixシャットダウン時
VMに入って shutdown -h now するか、VirtualizationStationからシャットダウン信号を送って下さい。
時間的余裕があるなら、OSを落とす前に systemctl stop zabbix-server をしてもよいと思います。 - Zabbix本体のデータ収集を有効にしているときの不具合
VM起動時にシステムからZabbixサーバに渡される時刻の関係で、Zabbix起動時のデータは『9時間未来』となります。
次にZabbixサーバがJSTな時刻を取得した時点で、巻き戻りが発生するため、見かけ上いまいまのデータは9時間後まで欠落します。
Zabbix本体は『無効』にしておくか、データが繋がるまで数時間待って下さい。 - データ収集が途切れた場合
systemctl stop zabbix-agent systemctl restart zabbix-server systemctl start zabbix-agent
して下さい。
以上です。
2021/01/07追記
IPAフォントのサイトが以下に変更になっていました。
http://moji.or.jp/wp-content/ipafont/IPAfont/ipag00303.zip